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よくわかるかもしれない!最近のゲームセンター入門! [ゲーム]

説明しちゃうよ!いろいろと!ええっと、ゲームセンターって恋人とプリクラ撮るくらいしかいかねっすというような方々にも、アミューズメントの基本、ゲームセンターについての最近の事情を知っていただきたい、とせっせと文章を書いてみた。なぜって?うん、その問いは勢いであらかた書いてから気がついた。でもせっかく書いたしそのまま晒してみることにするよ。ゲーセンよく行く人にとってはだいたい普段肌で感じてるようなことばっかりが書かれていると思う。しまった、だれも読まないような気がしてきた。

これからする説明ではいちいち数字を挙げないけども、私が説明のもととしたのは、手元にある、電通総研編「情報メディア白書」2002、2003年度版の数字を使った。これに載ってる最も新しいデータでも2001年のものなので、「アミューズメント産業界の実態調査報告書」の平成11年度から平成15年度までを参照し、データを補った。傾向は今でもそんなに変っていないみたい。一応言っておくと、これらの報告書のデータの精度については私は1ミリも調べていません。まあ、鵜呑みにするのは気をつけてね。また、説明はかなり大雑把にしてるけど、明らかな誤り等は指摘していただけるとありがたい。

では、えーと、まずはあなたが恋人を連れて、もしくは連れられて、ゲームセンターにプリクラを撮りにいくところから始めようか。ハイ、じゃあ日が暮れてきました。あなたがたは大学からの帰りみち、肌寒くなった空気に肩を寄せあい、駅へと向かっています。あなたはふと、明日髪切りにいこっかなーとか、色も変えよっかなーとか、前髪をつまみながら言いました。すると、すかさず隣りの相手が、じゃプリクラとりいこうと言いだしました。つーか今日なんだ、とツッコミながらも二人で駅前のゲームセンターに行くことにしました。

ここでちょっと説明。プリクラのようなものもここではゲームに含める。こういうのを「アミューズメントベンダー」と業界では呼ぶ。「AMベンダー」とか書いたりすることもあるね。これからは「AMベンダー」という表記で進めていくことにする。

もひとつ説明。業界で言うところの「ゲームセンター」ってのは、専業店であるいわゆるゲーセンはもちろん数に入ってるけど、さらにボーリング場とか旅館・ホテルなんかのゲームコーナーみたいなのなんかも数に入ってる。で、ゲームセンターの数っていうのはもうずうっと減少し続けているのだ。最近では、80年代後半や90年代の初頭のゲーセンの数の半分くらいに減ってる。これは単に数字上だけでなく私の実感としても減ってる。まあ、マクロの数字にミクロの視点で違うとかそうだとか言ってもしょうがないんだけど。それはともかく、10年くらい前は近くの駅前にはゲーセンが6店舗くらいはあったけど、現在ではたったの2店舗になっちゃった。この、店舗数の減少傾向はまだ続いていくみたい。一方で、店舗数の内訳というのはすごく変化している。小さい店舗がどんどん潰れて、大きな店舗の数が増えてるという変化だ。これも、特にちょっと郊外に出ると実際に感じられる。そうそう、そういえば、前述の2店舗のうちの一つはビル内の店舗なんだけど、改築工事をして1フロア増やしたんだった。そんなように店舗の大型化は続いていて、大型店舗の数だけ見てやると、これはずうっと増え続けているのだ。説明終り。だいぶ長くなったけど、もとのゲーセンに話を戻すよ。

さて、あなたがたは、何度かプリクラを撮りにきたことがある、駅前のゲームセンターにやってきました。店に入ろうとした時、急に、女の子の金切り声がギャンギャン聞こえてきます。ぎょっとしてそちらを向くと、入口の両脇に据えられた大型のクレーンゲームの前で、小さい女の子がケースの中で仲良く並んでるヌイグルミの一つを指差して、あれほしいあれほしいと母親にダダをこねているところでした。あなたがたは店の中に入ってから、顔を見合せ、ぷぷーっと吹き出します。すごい顔してたねー、あの人形ヤバイよ、とか感想を述べあいながら母親の、あの困惑と落胆の混じったような、曰く言い難い表情を思い浮べます。うみにんだって、変なのー、と言いながら、あなたがたは店の一階の中程にあるプリクラコーナーへと足を進めます。

はい、説明タイム。プリクラが置いてあるようなゲームセンターの入口近くには必ずといっていいほどクレーンゲームが置いてある。さらにそこから一歩か二歩店の奥に向うと、今度はキーホルダーとか携帯ストラップなんかの景品を取るゲームが置いてある。こういう種類のゲームを「プライズゲーム」と呼ぶ。もうちょっと店の奥にいくとさっき言ったAMベンダー機が置いてあり、さらに奥には、リズムに合せてタイコ叩くゲームだとか音楽に合せてコントローラーの上でステップを踏むゲームだとか、銃の形のコントローラーを使ってゾンビとか悪人を打ちまくるゲームだとかシートに座って車運転するゲームだとかが置いてある。前の二つは「音楽ゲーム」、後の二つはとりあえず「大型筐体ゲーム」と呼ぼう。AMベンダー機があるような店の構成はだいたいこんな感じが基本的みたいだね。ここまで挙げたゲームくらいはプリクラしか利用しないという人でも見たことがあるだろう。

さて、無事二人でプリクラを撮り終えたあなたは、よし帰るべえと相手をうながします。すると、お店のなか、ちょっと上まで見ていってみよう、との返事。ここのゲームセンターは三階建てです。しかし、まるで私の都合に合わせたかのようなうれしい申し出ですね。それじゃあ、と二人は一度も足を踏み入れたことのない二階への階段を、慎重に登り始めるのでした。

二階のフロアの照明は薄暗く、そこにいる人々は皆真剣な顔付きで、熱心にスロットマシーンにメダルを投入していました。あなたは、うわ、なんかこわそげかも、と思いながら彼らの間を歩いて周っていると、このフロアのお客の年齢層が、おにーさんおねーさんから年金生活者っぽいおじちゃんおばちゃんまでと幅広いことに気がついてすこし驚きました。ふーん、なんかゲームもカジノっぽくてかっこよさげな物もあんのね、行ったことないけど、と思いながらあなたがたは三階へと階段を登ります。

はい、お金をメダルに替えてスロットマシーンなんかで遊ぶ「メダルゲーム」だね。メダルの換金は風営法でゲーセンには認めらていないから、メダルは増やしても基本的にメダルゲームで遊ぶ以外には使えない。店によってはメダルゲーム以外のゲームを遊ぶのにメダルによって支払いができるとこもある。

さて、最近のゲーセンの主力商品、つまりお客がたくさんお金を使ってくれるゲームというのは、今まで挙げた中の、プライズゲーム、AMベンダー機、メダルゲームの3種、になる。特に最近メダルゲームの分野は大いに成長してきて、様々な工夫を凝らしたゲームがたくさん出て、お客さんのハートをガッチリつかんでいるようだ。ところで、なんとなくゲームセンターっていうと、ディスプレイの載った箱についてるレバーとボタンをピコピコと操作して遊ぶ、「ビデオゲーム」を思い浮べるんだけど、最近ではこの種類のゲーム一台あたりが出す売上げを他の種類のゲームの出す売上げと並べてみると。最低の順位になってることがあったりする。小学生のころからゲーセンや駄菓子屋でピコピコやってた私としては深い溜息をつくほかないよ。特に私の好きなシューティングゲームにいたっては…泣いていいですか?

さて三階についたあなたがた。ここには、ディスプレイとレバーとボタンのついた箱がいっぱい並んでいます。階段近くの、向かい合せに置かれたゲーム台では、対戦格闘ゲームを遊びながらウエーとかオアーとか叫んでいる、たぶん同じ大学の若者達が目に入ります。ぐるっとフロアを一周してみます。対戦格闘ゲームがあって、パズルゲームがあって。奥の方にはなにげにエロいゲームがたくさんあって少し気まずい思いをしました。そこを通りすぎる時、一人の男性が疲れた背中を丸めて、熱心に画面を見つめていました。あなたは、こいつマジでえっちゲーやってるよキモッ、と思いましたが、よく見ると男性がやっていたのは次々と表われる敵をこれまた次々と破壊して楽しむシューティングゲームでした。ボムを使ったり、自機が破壊されるたびに首をかしげています。なにか自分の腕以外に問題があったのでしょうか。

さて、フロアをぐるっと周ってまた階段付近に近づくと、一角に、デザインの統一された、なにやらお金がかかってそうなゲーム台が並べられているのが目を引きました。ちょっと説明を読んでみると、このゲームをやるにはカードのセット1000円とさらに1プレイ300円もかかるというのは驚きです。たっけー、でもおもしろそうかも、と思いながらふと、ガラス張りの壁を通し外を見ると、もう日は落ちきって、すっかり暗くなっていました。なんか色んなのがあるんだねー、と語らいながらあなたがたは店を出ます。こんどはプリクラ以外のゲームもやってみようかな、ちょっとだけそんなことを思いながら二人は駅へと向かうのでした。

はいはい、やっと来ました。業界でいうところの「ビデオゲーム」機。私が愛してやまないシューティングゲームもこのジャンル。しかしビデオゲームが出す売上げはもう10年くらいずうっと減り続けてて、ようやっと近年下げ止まった感がでてる。しかし安心はできない。その内訳を見ると、対戦格闘ゲームやシューティングゲームとか、同じような形の箱に入ったゲーム達(まあ「汎用筐体」機と呼ぶか)のほうはやっぱり減り続けてて、そのかわりに、最近はネットワーク対応で、全国の人と対戦したり一緒に戦ったりできるタイプの「サテライト筐体」と呼ばれる機種が好調で、汎用筐体機種の不人気をカバーしている。上で書いたカードを使うゲームもその一種。全国の人と麻雀対戦ができるゲームも人気がある。ちなみにシューティングゲームというのはよっぽどの店でないと一台か二台置いてあればいいほうで、あったとしても店の奥のほう、えっちゲーの近所に設置されていたりして、とってもせつなくなる。

とこんな感じで、ざあっと最近のゲームセンターについて見てみたことになる。この文章をここまで読んでいただけたなら、ゲームセンターについて、またその中のゲームについて、今までと少し違った見方ができるようになってもらえたと思う。プリクラを撮りに行くときも、前よりちょっと、ゲーセンについて気にかけてもらえたら、うれしいな。さらにさらに、今までやったことがないようなゲームも試しにやってみて、お気に入りのゲームを見つけてもらえたら、とってもうれしい。May the GAME be with you!


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びもた

エキスポ感想にからめるはずがボリュームが増えすぎちゃって分離。つか今読みなおすとグダグダだなこれ。
by びもた (2005-02-22 11:21) 

長文、乙!
AOU行って来たんスよね?
記事読むと、何か思うトコロでもあったみたいですね。
レポート楽しみにしてます。

昨今のゲーセン事情ですが、ご指摘通り減少傾向なのは確かなんですが、
ビデオゲームすら置いてない所ってのも多くなりましたよね(プライズ物オンリーとか)。
僕はこういう場所のことを「じゃれ場」って心の中で言ってるんですが(人が何かじゃれあってるから)、僕みたいな古いタイプの人間だとこういった所はどうしても避ける傾向にあって、もはやゲーセンが一見さん相手の商売に完全に切り替わってしまってるような気がして寂しい感じがしたりします。

シューティングの状況も悲惨ですよね。
ここまで隅に追いやられてしまうと、もう新規開拓とか無意味なものになってしまうんでしょうかね?

自機が破壊されるたびに首をかしげる。
いるいる、そーゆー人。
大抵一人でやってますよね、「一年戦争語れます」みたいな格好して。
きっと己と戦っているんでしょうね(笑)。
by (2005-02-22 21:15) 

びもた

ういっす。どもです。

ビデオゲーが無いとこもありますね。家の近所のゲーセンは、プライズ、AMベンダー、メダル、クエストオブ Dだかのサテライト筐体のみの構成です。こういうのも増えてきそう。

なんとなく、10年、20年先とかになると、サテライト筐体以外のビデオゲームは大型店舗にしか存在しない、ってことになりそうな気もします。

んで、やっぱりメダルゲームが今すげえっすよ。これはなにげに幅広い年代に固定客がいるんで、このまま行くと、ゲーセンっていうとメダルゲームの店、みたいな共通認識が生まれたりして。

例えば、春休み大学生の特権として早朝ゲーセンを敢行したりするんですけど、朝っぱらから主婦だとか年金受給者っぽいおっさんとかがメダルゲームをやってるのを見て、ああ、こら他のゲームじゃ勝てねえな、と弱気になったりします。

あ、あと、私は、シューティング人気はもう下げ止まって、現在回復傾向にある、という印象を持ってたりします。まあ、上ってもある程度だとは思いますが、メーカーが安心して新作を出し続ける気が起きるぐらいにはなると思ってたりします。このへん、ちゃんとまとめて書いてみたいんですけど。うーん。まだデータと力が不足しています。
by びもた (2005-02-23 17:47) 

obi

長い文がんばって読んでみました。
自分ゲーセンを毎日通るというにもかかわらず、一度もそのゲーセンに入ったことのないぐらいまじめなやつです(ぇ
そのせいか、専門用語(なのかわからないが)に?マークたくさんついてます(笑)

最近のゲームはこりすぎだと思います。
シューティングなんか派手すぎて何がおきているのかわからない…
東方は弾よけに特化しすぎだから、わかりやすい。
by obi (2005-02-24 21:54) 

びもた

どもです。
ゲーセンのシューティングもやってみると、東方の作者さんがどういう影響を受けて来たのかが推測できて面白いかもしれませんよ。

>最近のゲームはこりすぎだと思います。
うーん。おっさん連中ならともかく、現役高校生がそれを言うのはちょっと…。そんなつまんない切り捨てはやめて、色々やってみたらどうですかね。色々面白いゲームに出会えると思いますよ。

最近のゲーセンに置いてあるのっていったら「虫姫さま」あたりがおすすめです。弾速が遅くて弾がいっぱい出てくる「マニアックモード」なら東方シリーズのプレイヤーも違和感なく遊べると思います。もしあったら、マニアックな弾幕がたくさん出てくる「ケツイ」もおすすめ。
by びもた (2005-02-28 14:05) 

obi

高校生になるまでは家庭ゲーム機はファミコンとスーファミしかなくて、やれロックマンだとか、マリオブラザーズとかで「楽しー」なんていってたやつですんで(ぇ
時代に取り残されてるかも…(^_^;)

虫姫さまってたしか前に書いてあったやつですよね?
卒業式は今週で終われば暇になるので、探してみます。
(その前にバイトだけは探さなきゃいけないけど)

それと突然ですが、明日からホームページを再開させるので、ブログを終わりにします。
短い間でしたが、数少ないブログ側の人として読んでもらい、ありがとうございました。
ブログはしばらくは残しておきますし、自分のプロフィールの方からリンクを張っておきました。
by obi (2005-02-28 19:48) 

びもた

どもです。遅くなりましたが。
リンク先のサイト読みましたよ。暇潰したいなら、大学のテキストを読んで予習しましょう(笑)それはともかく、ドット絵できるんだったら、ゲームでも作ってみたらどうっすか。例えば…シューティングとか。シューティングとか。シューティングとか。大学でプログラマなんかの賛同者を募るもよし。ネットで探すもよし。なんかこー、若さでごーですよ。ごー。なんか適当なこと言ってますが。ちっちゃなものでも自分でゲームつくってみると結構たのしいですよ。

んではまた。
by びもた (2005-03-07 11:48) 

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